アーディゾン美術館6階で、ダムタイプの展示を見たあと、階下へ降りていくと、違う展覧会がありました。
『アートを楽しむーー見る、感じる、学ぶ』と題した、3部構成の展覧会。
まずは5階で、「肖像画のひとコマー絵や彫刻の人になってみよう」という展示室。(以下掲載写真は、美術館内で撮影可の作品を撮ったものです。)
アーディゾン美術館所蔵の、さまざまな肖像画が並んでいます。
アーディゾン美術館は、もとは「ブリジストン美術館」だったものが建て直されたもので、所蔵作品ももちろん石橋財団のコレクションなので、相当な所蔵品があり、中には教科書にも載るような有名な作品もありました。
ピカソの《道化師》。
小出楢重の《帽子をかぶった自画像》は、楢重の画室の再現ブースもあって素敵なコーナーに!
さらに進んでお次は「風景画の旅ー描かれた風景に浸ってみよう」という展示室。
さまざまな美しい風景画の数々があり、私の大好きなモネの作品もありました。
《黄昏、ヴェネツィア》や
連作《睡蓮》のうちの1枚も。
これはグレーの分量が多くて、《睡蓮》の中でもシックな佇まいですね。
さらに進むと、今度は「印象派の日常空間ー近代都市パリに行ってみよう」。
マネやルノアールなど、印象派を代表する画家たちのさまざまな絵が。
展示室の壁面も赤で、パリっぽく。ルノアール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》
同行していた息子が、興味惹かれたのは(絵よりもw)ピアノ!
ルノアールなど印象派の画家たちは、当時のステイタスシンボルであったピアノを、近代化に伴う新時代の要素として、たびたび絵に描いています。
19世紀フランスのエラール社のピアノはそれを代表するもの。アーディゾン美術館にも、そのエラール社のピアノがありました。
ちょっとこぶりで、息子がしげしげと見ていると、1オクターブ分現在のピアノより、鍵盤が少ないということ。よく見ると確かに細いピアノでした。
エラール社のピアノを描いたギュスターブ・カイユボットの《ピアノを弾く若い男》
もうひとつ息子が特に興味を持ったのは、こちら。
「画家の手紙」と題した展示室にあった、古賀春江の書簡。額装の依頼をした書簡です。縁巾や板の形状、木組みではなく釘でいいとか、細かい寸法まで丁寧に書かれています。
息子は絵画展を見るたびに、額縁の効果についてよく考えるんだそうです。
「同じ絵でも、額縁で印象が全然変わるよね。」
と。確かにそうで、私も学部生時代、西洋美術史の授業で、東京ステーションギャラリーの学芸員の方が特別講師でいらしたときに、額を選ぶ難しさのお話を伺ったことがあったので、そうだよね~と納得。
岸田劉生の《麗子像》
西洋だけでなく、東洋美術の展示室もあり、
ミュージアムカフェ・ショップもあり、見ごたえ十分な美術館でした。
また行きたいです。
『アートを楽しむーー見る、感じる、学ぶ』展の会期は、5月14日(日)までです。
アーディゾン美術館
東京都中央区京橋1-7-2
☎05055418600
開館時間 10:00~18:00
休館日 月曜日(月曜日が祝日の場合は開館) 展示替え期間 年末年始
入館料 各展示による。
『アートを楽しむーー見る、感じる、学ぶ』展(同時開催の展覧会含む)は
一般予約券1200円 当日券1500円
大学生・専門学校生・高校生以下無料
(入館は日時指定予約制です。webサイトでのチケットの事前予約・購入が必要です。当日券は予約券が完売していないときのみ販売します。)
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ご覧いただきありがとうございました。